和裁について、製作の西陣織のインテリアミニ着物について書きます。

きものたがそで

和裁士のブログです。オリジナル作品やミニ着物Tagasodeについて。

着物を着こなすにはシリーズ・・TPOを理解して、シーンによって最適なものがわかる。着物、和裁の知識

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こんにちは☆

今日は、着物を着こなすということについて、書いてみようと思います。

 

着物を難なく着こなす人いらっしゃいます。

そういう方は、お洋服もお洒落ではないでしょうか?

 

着物を着こなすということは、お洒落の基本が解っていることが重要だと思います。

カラーのセンス??

洋服ではすぐにカラーを重視しますが、

そういうことではありません。

着物は、シンプルなだけに、

ありとあらゆる角度から整っていないと、

どこか残念になってしまいます。

 

どんなところが重要なのでしょうか?

何のセンスも無かった私が、

着物から学んだ『お洒落の基本』についてを、書いてみようと思います。

これは、洋服にも通ずる点が沢山ありますので、

洋服のセンスを磨く要素にもなるはずです。

 

とっても長くなりそうなので、1項目ずつ書いて行きます。

 

◎着物を着こなすために重要な項目↓↓

  1.  TPOを理解して、シーンによって最適なものがわかる。
  2. 素材を見極めて、良質なものがわかる。
  3. 着付け
  4. 髪型
  5. 化粧
  6. 姿勢、立ち振舞い
  7. マナー
  8. (着物の色)同系色を使う
  9. 帯、帯締め帯揚げの3点セット
  10. 斬新で美しいもの(良質なもの)を実際に使用する。
今日は、

TPOを理解して、シーンによって最適なものがわかる。

着物を着るにあたって、まずぶち当たる壁がTPOです。

理解するのは難しいと思いがちですが、

着物のTPOが解らない = 柄、素材に対するマッチングが解ってない

ということが言えると思います。

なので、理解できるとおのずと「生地」の格式が解ります。

また、最後の方に書きますが、私の思うTPOの大切な意味とは

「相手の方に敬意を払う服装」だと思っています。

 

◎着物の柄の格式の高さは↓になります。

総柄 < 飛び柄 < 無地 < 絵羽

例えば、

小紋の飛び柄は、つけ下げ風に見えるので、総柄よりも少しフォーマルっぽく見えます。

小紋総柄でも、遠くからみると無地に見える柄は、フォーマル寄り、あるいはフォーマルに着れます。(江戸小紋など)

・井桁や絣などは普段着に向いた柄となりますが、逆に能衣装柄(正倉院紋様など)などは最高格式の柄となるように、柄の意味によって格式が変わります。

・訪問着、振袖、留袖などのフォーマルは、絵羽紋様となります。(柄の上下が決まっていること)

・色無地、留袖は上半身無地になりますので、紋を沢山入れればいれるほど、格が上がります。(小紋、訪問着は紋入れすると格が上がると言う方もいますが、私自信は中途半端だと思っています。それなら一つ紋の留袖とか色無地着ればいいやん・・と思います。間違いではないですけどね。)

 

柄の格式は、柄の意味を理解しなければなりません。

それは同時に、柄のルーツも知らなければ理解できません。

季節の柄も勿論ですが、和柄、洋柄、抽象的柄、花柄、紋様柄など

相性の良い柄の組み合わせが出来ることも着物ではお洒落の一つです。

 

◎着物の素材(生地)の細かい格式の高さは↓になります。

(ざっくりとした)紬 < (つるっとした)紬 < 柔らかもの(ちりめん) =

柔らかもの(つるっとした綸子) = お召し(光沢のある薄い織物) < 厚みのある織物

(帯地など) < 金銀糸の厚みのある織物(フォーマル帯、錦など)

 

・ざっくりとした紬…結城紬、弓浜絣、久留米絣、郡上紬など。

・つるっとした紬…大島紬牛首紬、塩沢紬、宮古上布など。

・やわらかもの…染め物のほとんどです。やわらかく、しなやか。

・綸子…やわらか物のなかでもつるっとして光沢があるので、格式高く見えます。

・お召し…光沢があり、柔らかくしなやか。柔らかものと何が違うねんと言われますが、生地に染めるのでは無く、糸を染めて織られているので、先染めと言われます。

 

・厚みのある織物、帯地…生地が厚みがある分、生地質は豪華になります。

・錦、金銀糸で織られた帯地…日本の生地の中でも最高格式生地だと思います。豪華。

 

生地の素材を理解することは、洋服でも全く同じことだと思います。

基本的には、つるっとした生地はフォーマル寄りに見えます。

節のあるような、ざっくりとした生地はカジュアルに見えます。

また、木綿や麻はカジュアルな生地となります。

そして、金銀の入った生地や織物はフォーマルに見えます。

 

また、生地の厚みがあるほどフォーマルになります。

これは、どういうことかというと、

着物は長襦袢→長着(着物)→帯と、外側にいくほど、生地が分厚く豪華なります。

これは着物の鉄則。とても重要なことです。

 

例えば、「帯」をとても豪華な「柔らかものの着物の生地」で作っても、フォーマルにはならないのです。

でも、「着物」を「西陣織などの分厚い帯の生地」で作ると、なんと立派な打ち掛けになるのでしょう。

 

これが生地のTPOです。

同じ形のものを作っても、生地の素質が違うと、まったく違う格式のものが出来ます。

これは、どれも同じ形であるがゆえの、着物の素質です。

その為、着物を理解することは、生地を理解することでもあります。

 

着物にばかりお金を掛ける方が圧倒的に多いですが、

それは完全なる間違いです。

お金を掛けるなら、身体の、より外側にあるものに掛けるべき。

それは、帯です。

ついでに、アウター(羽織やコート)も。

ここを、質の良いものを身に付ければ、安物の着物も高価に見えます。

 

ここから本題。

生地と柄のTPOを理解した上で、

シーンに合わせた着物を着ることが重要です。

よく、お洒落ではずすとが言いますが、

TPOを理解していない人がはずすと、端から見たらタダの痛い人です。

TPOを間違えると恥ずかしいから、服装を選ぶ方が多いと思いますが、

それは違うと思います。

私が思う、TPOとは「主催の方に敬意を払う服装」だと思っています。

結婚式でいえば、当たり前ではありますが、

新郎新婦主催の結婚式への敬意をもって、第一礼装を着るのです。

服装で、この結婚式は最高の式だと言っているのと同じなのです。

フレンチレストランに行くときの服装もそうです。

レストランへの敬意もあるし、招いてくれた彼氏への敬意もあるのです。

 

これが、場数を踏んで馴れてくると、ほんの少し個性を出してカジュアルに外すというのも有りだと思います。ただ、絶対にどんなシーンかは大切です。

礼装は間違えない方が良いですが、

かしこまりすぎない程度のシーンもありますので、

どのくらいの格式が良いのか見極める必要があります。

周りの人の洋服を参考にするのが良いでしょう。

 

・結婚式…留袖、色留袖、振袖が本来。少なくとも訪問着以上。

・式と言われる行事… (式と言われる行事は本来は第一礼装)少なくとも色無地のセミフォーマル以上。

・高級レストランのディナー、カジュアルウェディングとか(男性がジャケット着る感じ)…気合いを入れるならせめて柔らかもの以上セミフォーマルで。(常連さんなら関係ないけど)

・レストランのランチ…カジュアル~落ち着いた訪問着セミフォーマル(昼っぽい感じで)

・観劇、鑑賞…紬着てる人もいますが、やっぱり、少しフォーマル気味にしていないとちょっと違和感。

 

夜は、キラキラしたラメやビーズ、刺繍などの着物コーディネイトも素敵です。

それは洋服と同じ感覚です。

 

TPOは難しく考えるものではなく、感覚のものだと思います。

それは、人によって感覚が違うので、

意見が合わない事もたくさんあります。

何よりも、経験が大切だと思うので、めんどくさがらずに、

意識することが大切だと思います。

 

一級和裁技能士 安東さゆり