和裁について、製作の西陣織のインテリアミニ着物について書きます。

きものたがそで

和裁士のブログです。オリジナル作品やミニ着物Tagasodeについて。

着物を着こなすにはシリーズ・・素材を見極めて良質なものがわかる。

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こんにちは。

着物をきこなすにはシリーズです。

 

着物を着こなすのは難しいことです。

なぜなら、着物を着こなすには、

あらゆる要素を持っていないと着こなせないからでしょう。

40歳、50歳になって、着付けを始める方が多いです。

その「あらゆる要素」に気付く世代なのかもしれません。

若い時には必要なかったけれど、

歳を取るほどに必要になってくる社会的な色々な要素があります。

着物には、それが凝縮されているように思います。

 

今日は、02,素材を見極めて、良質なものがわかる。

について、書きたいと思います。

◎着物を着こなすために重要な項目↓↓

  1.  TPOを理解して、シーンによって最適なものがわかる。
  2. 素材を見極めて、良質なものがわかる。
  3. 着付け
  4. 髪型
  5. 化粧
  6. 姿勢、立ち振舞い
  7. マナー
  8. (着物の色)同系色を使う
  9. 帯、帯締め帯揚げの3点セット
  10. 斬新で美しいもの(良質なもの)を実際に使用する。

 

素材を見極めて、良質なものがわかる。

良質なものとはなんでしょうか?

人によって、好みは十人十色。

人によって違うんちゃうの?

でも、良質なものとは人の好みの問題ではありません。

 

良質なもの。

私が行き着いた答えは、

「その後何十年経っても斬新で古さを感じさせない質のもの」です。

 

これは、30年後、万人が欲しいと思うような価値のものか。

要は、先見の目があるかどうかが大切です。

 

とはいっても、30年後のことなんか解るんかい!?

と思うかもしれませんが、

その時点で、多分良質なものを理解していない証拠なのだと思います。

 

30年前のツイードフォックスコート

私は、呉服屋の女将さんからもう使わないからということで30年前のコートを頂戴しました。

30年前のコート?!そんなの着れるんかいと思うかもしれませんが、

これが素晴らしいコートなのです。

 

上から下まで、真っ赤なツイード生地(最高級ウール)で出来ていて、

胸元から衿周りには巨大な真っ白なフォックスが付いたなんとも立派なコートです。

そのコートの一番素晴らしいのは、

コートのラインです。

なんとも素晴らしいフォルムで、

シンプルなコートの形を描くラインが、

こんなにも美しいものかと思わせるほどのコートです。

もちろん、30年経った今でも、そんじょそこらの現代のコートより

よっぽど斬新で目新しいコートとして健在です。

 

古着と新品

着物は高価なもので、古着から、昔の嫁入り着物から入ったという方も多いのではないでしょうか?

私は、10代の時からレトロ着物好きで古着を買って着ていました。

古着は、手頃で着物を楽しめますが、

呉服屋で本格的に上質な着物を理解するようになってからは、

古着に対する感覚は「レトロ」(デザインが可愛い)ではなく、

「上質なものが解るかどうか」へと変わりました。

 

いかに、現代的な古着が解るかという事です。

現代的な質の良い古着が解るようになるには、

質の良い現代の着物を沢山知ることが大切です。

 

私が言いたいのは、

古着だけ見ていても、昔のデザインでしかないと言うことです。

KIMONO姫」が好きで沢山見ていましたが、

今となっては、あればかり見ていたら、センスおかしくなってたやろうな。

と思います。

KIMONO姫」がお洒落なのは、昔の着物をデザイナーの感覚で現代的にコーディネイトされているからであって、

現代的な着物も見て理解もしていない昔の私が、コーディネイトしても、

もはや古い着物を着ただけのコーディネイトになるに決まっているんですよね。

結構、そういう方、多いですよね。

 

昔の色、現代の色

昔の着物は朱色、ピンク色、黄緑色が多いですよね。

特に、八掛け。

昔のはなんで、赤ばっかりやねんとウンザリします。

昔は、本当に赤とピンクばっかりだったそうです。

そして、やたらと目立つ昔の色。蛍光色のような色です。

昔の安物の着物、帯は化学染料が流行った為です。

 

ちなみに朱色やピンク、黄緑などなどは

歌舞伎などの舞台では日本らしくとても重要な色となります。

それでも、歌舞伎の衣装などは、何十年と同じものを使ったりします。

大体、染めも刺繍も手の凝った衣装です。

質の良いものは、何十年経っても、素晴らしいのです。

色も生地も、質の良いものは何時でも斬新で古さなんて感じさせないものなのです。

 

なので、現代に誰も着れなくなってしまったデザインの着物や帯を持っているとしたら、

(どれだけお金を出して買ったとしても)

結局、その程度の価値だったと言うことです。

 

おかげで、私が質の良さの解っていない時に購入した着物は、すべて無駄金でした。

 

さて、色の話ですが、

色はとても重要です。

現代的な色の感覚とレトロの感覚の色は違うので、

勉強しなくても、新しいものを常に見ておいた方が良いと思います。

ただ、極論ではありますが、

本当に良いものは、昔も今も未来も色の感覚は変わらないと思っています。

何故か、解らないですが、

素晴らしい色彩のものは、何百年前のものを今見ても現代的色彩だと思います。

国宝の琉球紅型を見たときは本当に驚きました。

 

「その後30年経っても、斬新で古さを感じさせない質のもの」が解るようになるには?

観るだけではダメです。

実際に使うことが大切です。

「物の良さ」は使って解るものです。

どれだけ数を観ても、解ったつもりになっているだけです。

雑誌や写真を観ているだけなら、なおさら意味がありません。

草木染めの天然染料の着物がどうして高価で質が良いものなのか…

作るのに手間がかかっていて…

それもありますが、

何より実際に着て出掛ければ、なんとも深みのある色彩のきっと周りの人に褒められるでしょう、

生地によっては軽くて動きやすい、着付けがしやすいなどもあるかもしれません。

着物も実用品なのです。

使ってみないと解らないじゃないですか。

使ってみて人から褒められるものは、質の良いものだと言って良いと思います。

 

骨董品、美術品

骨董とはかなり関連しています。

骨董品も古くて質の良いものを見極めるのが楽しいものです。

美術品は、これから価値の上がるものを見極めるのが楽しいものです。

着物も、これらと同じです。

何物にも、質の良いものに敏感になることが大切なんでしょう!

 

レトロなものを現代的に着るには?

レトロなものは好きです。

質が悪くなければ、昔の物も現代的なものと一緒に合わせれば、

素敵なコーディネイトになります。

必ず、現代的なものを一緒に合わせた方が良いです。

 

レトロと現代の極端なコーディネイト

↓↓↓↓ 

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この帯は、古着で気に入って3000円くらいで購入しました。

色はとても赤く、とてもレトロな帯ですが、

生地は塩瀬生地で、紋様はすべて手刺繍という元々質の悪くない帯です。

これを、現代的な小紋で合わせると、古さを感じさせません。

ちなみに、着物も帯締めもそこそこ高価なものを使いましたが、

帯が負けることが無いので、帯はとてもお買い得に購入できたなあと思っています。

 

この記事のトップの写真は、結婚式で訪問着をお引きずりにして着たものですが、

訪問着は本加賀友禅の中でも結構な大作でございます。

間違いなく、自分の娘の世代でも使える着物だと確信しています。

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解って頂ける方には、写真でも伝わるかなあと思います。

実際、今訪問着として着ていますが、

とても質の良さをとても感じております。

 

和裁一級技能士 安東さゆり